『薬学部の新しい臨床教育』
シミュレーション教育の実施を検討されている施設に何かアドバイスがありましたら教えて頂けますでしょうか。
大井先生
薬学部にくる学生は、医師の壁というのを強く感じています。その彼等にシミュレーション教育を行いますと、一人二人は、医師の真似ごとではないかと言い出す学生がいるはずです。
彼等は疑問を少なからず持っているのです。そのため、まず講師自らシミュレーションを行う姿勢を示す事が必要です。そこから疑念を晴らすきっかけにして欲しいのです。
彼等が対患者さんの事を考えるマインドを養うきっかけになります。そのマインドを持っていない学生は、臨床に立たざるを得ない場面に出くわした際、躊躇してしまうでしょう。今は、臨床教育を行ったか否かによって、将来、学生に格差が出てきてしまうのではないかを非常に気にしています。
シミュレーション教育の課題があるとすれば、どういった事が考えられますでしょうか?
大井先生
シミュレーション教育を行うには、少人数が向いているのではないかと考えています。マンモス校と呼ばれる学校では教育方法に少し工夫を加える必要があるかもしれません。私の場合、例えばアナフィラキーショックのシミュレーションを約100 名に行っているのですが、これ以上、学生が増えると大変ですね。あとはシミュレーション教育を重要だと考える教員の人数が少ないのも今後の課題です。
シミュレーション教育の将来について、何かお考えでしょうか?
大井先生
将来は高機能患者シミュレータを学外にオープンにしようと考えています。
学生にシナリオを作成させるのも面白いかもしれません。学生自身が自ら考え、行動することにより学ぶ事も大きいと思います。学生が臨床スキルを少しでも身に付け、現場で活躍できるようにしたいですね。薬学部の学生についての進路ですが、卒業後必ずしも薬剤師になるわけではありません。
しかしながら一度は薬剤師として現場に立ってほしいものです。それが薬学部を卒業したスキルとして認められる事になるからです。その後、色々な進路に進むにしても高機能患者シミュレータを使用した教育は、必ず役に立つと思います。
大変貴重なお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。
(2009.12.15 鈴鹿医療科学大学薬学部にて)






