メンテナンス作業における注意点と工具豆知識
改正医療法が施行され、1年が経ちました。特に臨床工学技士の皆様は、保守点検作業などを行う機会が増えたのではないでしょうか。 保守点検をはじめ、日常点検、修理など、各種医療機器のメンテナンス作業をなさることも多いと思います。そこで今回は、機器の分解修理など、メンテナンス作業時における注意点と、それに用いる工具に関する“豆知識”をお届けします。
メンテナンス作業における注意点![]()
皆様は、メンテナンス作業を行う際、どのような点に注意されていますか?生命に関わる医療機器ですから、緊張感を持って、細心の注意を払って作業されていることと思います。 例えば人工呼吸器の定期点検など、手順書(マニュアル)に従って実施していただくとともに、ここでは、基本的なことの中から、見落としがちな注意点をご紹介させていただきます。
静電対策について![]()
静電気も電気です。電圧が高いことが静電気の特徴で、車のドアを開けようとした手に「パチッ!」とくる、この静電気の電圧はおよそ数kVです。もしも、医療機器に搭載されている電子基板に触れたときに、「パチッ!」となったら・・・ 実は、人が全く感じないほどの小さな静電気放電でも、半導体デバイスなどは壊れてしまうことがあります。静電気対策の基本は、静電気の発生を抑え半導体デバイスに帯電させないこと、帯電した電荷は適切に除電する(半導体デバイスに帯電した電荷の急激な放電は破壊につながります)ことです。
静電気に関する作業時の注意
- リストバンド(静電ストラップ)を使用(着用)する。(ホームセンター等で購入できます。)
- 導電シート(マット)を使用する。
- 電子基板の持ち運びには専用のパッケージ(静電袋)を使用する。
- 電子基板に触れる場合は、なるべく素子や端子に直接触れない。
- 湿度管理を行う。相対湿度40~60%が推奨されています。
- 作業場所に梱包材(ビニール袋、 発泡スチロール)などを極力置かない、持ち込まない。

適正工具の使用 ![]()
作業に必要不可欠なのが、工具、治具です。器械を分解する際、部品を交換する際、ドライバーやレンチ類を使用することが多くなります。ここで注意しなければならないのは、適切な工具を、正しく使用することと、工具に関する知識を身につけておくことです。 例えば「とりあえず回ればいい!」と、サイズの合わないドライバーを用いてネジを回そうとすると、ネジ山をなめてしまったりします。
工具に関する注意
- 適正工具を使用すること。工具の適材適所。
- 工具を正しい方法で使用すること。
その他、“工具に関する豆知識”にてご紹介します。
作業環境整備
メンテナンス作業を行うスペースは、整理整頓されていますか?メンテナンス作業環境整備の基本は5Sです。5Sとは、整理(Seiri)・整頓 (Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・躾(Shitsuke)です。これが励行されることにより、効率的且つ安全な作業が 可能になるのです。
工具類は整理整頓されていますか?
作業スペースは十分に確保され、清掃が行き届いていますか?またそれらを維持する習慣はついていますか?
例えば、小さいネジを床に落としてしまっても、整理整頓、清掃ができていれば、そのネジはきっとすぐに見つかることでしょう。 メンテナンス作業に取り掛かる前に、今一度、作業環境を見渡してみてください。
検査機器・校正機器の性能維持
人工呼吸器の保守点検作業などには、電気テスタ(マルチメータ)や、圧力やフローの測定・校正機器が必要になります。
ところで、皆様が使用されているその検査機器、そもそもその性能、精度は維持されていますか? 人工呼吸器が感知する圧力やフローが正確か否か、それを判断する、あるいは調整する基準となるのは、それらの測定・校正機器です。そもそも、それらの基準が正確でなければ、その人工呼吸器はとても危険な状態におかれることになります。
取扱説明書などの記載に従い、定期的な校正により性能・精度を維持してください。






