トップページ >ユーザーの声 >フィーチャー RTXロングインタビュー  1 / 2 / 3 / 4 / 5

フィーチャー   小谷透先生インタビュー

(聞き手) 今後、RTXを使っての症例で試みてみたいというのはございますか?

(小谷先生) 究極を言えば、Negative Pressureだけで人工呼吸ができるような病気だとか、疾患に関するノウハウを得たいですね。正直いうと動物実験をやりたいですし、臨床的にも解決しなければならない問題もいくつかあると思います。大人の症例で、子供に比べ、かなり胸郭のコンプライアンスが落ちていて、それプラス、炎症だったり肺水腫だったりということがある症例で、こういう非侵襲な器械がもう少し使えるようになればいいなと。 実は、それを探る意味でNPPVとRTXの併用というのを試し始めています。NPPVはCPAPつけてやっているだけで、いつ外しても大丈夫、外してみたらRTXだけで、できたという形で、上手くいくかもしれない。それが今、試していっている可能性ですね。それが突破できれば、たぶん最初からRTXだけでいけますという症例が見えてくると思いますね。

 

(聞き手) 挿管はなるべくしたくないということで、NPPV+BCVということをやっておられると思いますが、2つを組み合わせる、ということで挿管率というのは減ってきたのでしょうか?
(小谷先生) ひとつはですね、いつ挿管するか。あるいは、いつ人工呼吸を始めるかというタイミングだと思うんです。Noninvasiveという器械が出たことで、人工呼吸のタイミングは明らかに早まると思います。いくつかの疾患ではNoninvasiveの方が生命予後が良いというエビデンスも出てきていますが、たとえば鬱血性心不全だったりCOPDの場合は、挿管回避が必ずアウトカムを良くするということも判っています。 だとすれば、RTXにしてもNPPVにしても、患者さんに装着するタイミングを早くすることによって、新しい治療域というものが生まれ、その結果、入院期間が短くなる。医療費が削減できる。あるいは患者さんの生命予後が最終的に延びるということが示されれば増えてくると思うんです。

 

(聞き手) 今後RTXを使ってみようという医師の方にアドバイスなどありますでしょうか?
(小谷先生)ARDSの死亡率がこの40年位で70%から30%に下がってきている。その間に、何が治療法として変わったか?例えば、薬物療法ではエビデンスのある薬は何ひとつないわけです。人工呼吸器は確かに変わりましたが、人工呼吸器戦略は何か変わったか? 結局、この40年間に明らかに効果があった、進歩したことはスタンダードケアなんです。患者さんをいかに安定した管理に持って行くか。そのためには、何をすれば良いか。例えば、誤嚥性肺炎を防止するために患者さんをちゃんと座らせましょう。横にフラットに寝かせるのではなくて、上半身を30度から40度で上げましょう。口腔ケアをきちんとやりましょう。抗菌剤は理屈に則ってやりましょう。そのひとつひとつの手技をいかに出来るかが大事なんですね。感染管理、感染防御みたいなスタンダードプリコーションも含んでいると思います。

 

その上で、RTXを使うわけですが、なぜ効果があるのか、どういうところに効いているのか、生理学的な作用機序をよく理解して頂きたい。RTXを通常型の人工呼吸器の代替品と思って使ったら、また通常型の人工呼吸が戦略としてできていない所は、まず失敗するだろうと思います。通常型の陽圧式人工呼吸器のデメリットをRTXがカバーできるのかどうか、そういう疾患がどこにあるのか、どういう疾患ができるのか、この患者さんに良いかを多方面からディスカッションして戦略を練って、ひとつひとつの症例をキチッと評価して反省して次に活かしていくということが大事です。

 

そして、その呼吸療法をできるだけスタンダードケアに近いような使われ方をしてほしい。ある特殊な症例に、特殊なタイミングだけでやるのではなくて、皆さ んが気楽にやっておられるような酸素療法の気分で、RTXは使えるんだというベースも作ってもらいたい。そうでなければ、RTXの特殊性が中々皆さんに伝 わらないでしょうし、RTXを普及するに当たってベーシックに、どんな患者さんでも、これだけは気をつけなければならないというアルゴリズムができないと 思います。

 

1日に3例も4例もやれるようなユニットでまず始めて頂きたい。できるだけ、最初、ある同じメンバーで、しかも広めていく際もメンバーが関わって自分たちのチームに広めていって頂きたい。

後はもう、チャレンジしかないと思います。自分たちが慣れたら、ステップアップした症例に試していくことになると思います。その場合には、なぜ効果があるのか、何をモニタリングすれば効果が評価できるのかをスタッフで徹底的にディスカッションする。

 

新しい医療行為というのは、常にエビデンスという話になるのですが、エビデンスというのは、ある程度、臨床にやってみて、その後で初めて効果があるかない かという判断をするわけで、最初からエビデンスがあるような新しい治療法はないわけですから。エビデンス云々ではなく、RTXがもたらすであろう生理学効 果のメリットを正確に評価し、患者さんのメリットに繋がるのであれば、チャレンジして頂きたい。
その時に安全に使えるかどうか。そのユニットは使い慣れているかというところが、最終的な判断材料になるんで、そういったインフラが、スタンダードケアが できるところでチャレンジをどんどんして頂いて、どこの病棟でも、どこの病院でも、どこの地域でも使えるようなノウハウを発表して頂きたいなと思います。

 

 

 

 

print もどす <<前のページ 次のページ>>
Copyright 2012 IMI Corporation All rights reserved.