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『 脳卒中の再発防止には指標が必要 ~大館市立総合病院 脳神経外科部長 佐々木正弘先生 』

聞き手
その測定に血小板凝集能測定装置WBAカルナを使用して頂いていますが、その理由を教えて頂けますでしょうか。

佐々木先生
脳神経外科部長佐々木先生 大学や研究所レベルでやっている高感度の凝集能に関する評価は限られた人や地域でしか還元できないわけで、現場で患者さんたちに還元する事は絶対できないんです。還元できないものを待つよりは、検査室で使用されているもので何とかしたいと考えています。検査室で使用されているもので指標を作るには、全血で測定できるWBAカルナだと思います。 カルナは全血で測定でき、より生体に近いので、患者さんの生体情報のデータとして反映していると考えています。患者さんのことを考えても、外来ですぐに採血して、すぐ計測できるので30分おきに予定を組むことが可能で、1日に最大で5人の患者さんを診ることができます。今は脳卒中の急患の場合でも、日勤帯であれば対応できます。以前の機械だったら1日2人位だったでしょう。

遠心分離をかけて、その中の血小板を採って・・・という作業がありました。
カルナは測定原理も使い方もかなり簡単に理解できます。今は検査室で技師さんたちが使っていますが、私でも使えると言われれば使えますから。 みんなが測定原理まで知っているので、おかしな点があればすぐに判るし、使い易くて良いと思います。

脳卒中再発患者さんが来られた場合に、抗血小板薬を飲んでいたとしても、どのくらいの至適凝集能があったのか 分かれば、次に行なうべき治療法の方針に役立てられま す。服用していた薬の容量なのか、患者さんのコンプライ アンスの問題なのかと言うふうに、抗血小板薬の選択の 一つの指標にもなります。画像診断や形態的変化も重要 ですから、あくまでも指標の1つですが。

WBA カルナは、患者さんからの採血で計測が行われますが、血液の情報も知らずに、あれこれやってもダメだろうと思います。

先生 学会では大学などからいろいろな発表 がありますが、それを行なえるだけの血小板凝集能測定用の器械の普及が図られていません。現在、市販されているWBAカルナがあれば、すぐに測定できるわ けですから、血小板凝集能測定が広まり易いと考えています。

血小板凝集能の測定は脳卒中の1次予防にはならないかもしれません が、2次予防の指標になればよいと思います。現時点で、シロスタゾールの指標があれば完璧かなと思います。当院の臨床研究では、シロスタゾールを追加で投 与すると、至適凝集能の割合が高くなるという間接的なデータしか示すことができません。
今の「脳卒中治療ガイドライン2004」では、アスピリンなどはグレードAですけれど、シロスタゾールは グレードBなんです。試薬の開発とより多くのデータを蓄積すれば、シロスタゾールもグレードAになる可能性もあります。

 

聞き手
医薬品メーカーもデータの指標として使用していくことが可能になりますね。

佐々木先生
ある程度、カルナが広まれば、検査も容易になりましたから、外来通院している2次予防患者さんの多くを測定することが可能になり、メーカーも積極的に情報 を出してくることになると思います。実際に薬の容量が足りなくて、再発したケースもあります。その時点は薬が効いていないために再発したのであれば、他に 原因がないかぎり、その薬の容量を増やせば適切に治療を行なうことに繋がります。これを外来通院中に行なうことが出来るなら、再発しない人が1人、2人と 出てきます。
また、至適凝集能に入っている場合は、他のリスクファクターを治療することで、2次予防に繋がるという事が言えるかもしれません。年齢や性別などの運命的 リスクファクターだけは取り除けません。凝集能の管理がしっかりしていれば、その他のリスクファクターを取り除くための外来治療を患者さんに提案ができる わけです。

 

 

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