『 新人看護師の早期離職の防止には教育体制の充実が必要 』
聞き手:
弊社取扱いの高機能患者シミュレータECSをご利用いただいているとのことですが、
お役に立てていますでしょうか。
山中先生:
高機能患者シミュレータの良いところは、病態を誇張し、焦点化して最悪な状況まで作り出せることです。実際の臨床現場で最悪な状況に出くわす機会は何回あるでしょうか?看護職の毎日は最悪な状況ばかりと対面しているわけではありません。
新人看護職が体験しておくべき状況を自由に作りだせるだけでなく、それを反復して体験できるところが優れていると感じています。新人看護師はハラハラ、ドキドキさせる状況におかれ、その中で平静を保ち、状況に対応する力を養います。それを体験させる事がまず大切です。
この教育の様子はビデオ収録し、後ほど新人看護師、教育担当者に見せて、各々自らを振り返ってもらいます。再認識させるわけです。
このビデオが非常に良い教材になります。
聞き手:
シミュレータが教育プログラムでお役に立てていてよかったです。
山中先生:
パイロットやJRの運転手と同じようにシミュレーションを組み込まないと、絶対に行動形成できないと思います。緊急事態に直面したとき、普段では考えられないような事をしてしまうというのは人間ならありえますよね。医療ではそれが許されないので、シミュレーションし、繰り返し体得していただく必要があります。
聞き手:
シミュレーションを利用した教育プログラムの反応はいかがでしたか?
山中先生:
教育担当者が「自分たちがいかに分かっていなかったかがわかった」と言っていました。
また、他の教育担当者から、教育プログラムで担当したシミュレーションの内容が、講習会後に現場で実際に起こったそうです。その際に、その教育担当者がテキパキと指示を出し、自然に次々と対応でき、すごい自信になった。その様子を見ていた他のスタッフが、「シミュレーションするとこんなに違うのか」と感心していたそうです。新人看護職は、殆どの感想に「自信がついた。」「病態の理解の重要性とすべての技術が統合して臨床技術になる。」と述べていました。この研修が、新人看護職のみならずプログラムに参加した看護職全てのレベルアップにもつながっていることがわかります。
聞き手:
素晴らしい効果と成果ですね。
山中先生:
今の2年生3年生で教育プログラムを受講していない看護師は、自分も参加したいと言っています。臨床家は、すぐ役に立たない研修であれば、受けたいとは思わないでしょうから、効果があったのでしょう。
聞き手:
今後の展望などありましたらお聞かせ下さい。
山中先生:
今回、教育プログラムを実施して、実感したことは教育担当者と新人看護職は同時に育てられるという事です。まさに、教育=共育ですね。
臨床の場にすぐに立たねばならぬ新人看護師がそこにいるのです。そして新卒看護師は毎年入職してきます。
「教育担当者を育ててから新人看護職教育」などと悠長な事を言っている暇はありません。簡単ではありませんが、それを同時に行う必要と必然があります。また、知識を伝授するような講義ではなく、臨床場面を再現し、状況に応じて臨床技術を駆使して対応できる、対処行動を体得する、行動形成させる実践的な研修を続けていきたいですね。それが冒頭に申し上げた学校教育と臨床のギャップを埋め、新人看護職のレベルアップと自信につながるのだと思います。
IMI : 貴重なお話とお時間を頂戴しましてありがとうございました。
(おわり)






