エアウェイスコープが喉頭鏡として普及する日
エアウェイスコープは挿管困難時にだけ使用されているのですか。
青山先生
良いものは普段から使用していこうと竹中先生と話しています。挿管困難症例での使用を考えれば、日頃の症例で経験を積み習得しておかないと、いざという時に役に立ちませんからね。 
竹中先生
喉頭鏡ですから、挿管困難症例用として神棚に飾っておくものではないですよね。マッキントッシュ型喉頭鏡と比べ、エアウェイスコープの習熟は比較的簡単ですが、やはり日頃から使用しておかなければ難しい症例に対応できる保証はありませんから。私自身、普段からほとんどの症例で使用するようになりました。
マッキントッシュ型喉頭鏡をご使用されることは少なくなりましたか。
青山先生
研修医や他の麻酔科医もおりますので、現時点では、当院ではマッキントッシュ型喉頭鏡とエアウェイスコープを並行して使用しています。
竹中先生
私自身は少なくなりました。しかし、マッキントッシュ型喉頭鏡の役割が、無くなることはないと考えています。例えば、詰まった餅を取るなどの処置を行う際には、喉頭鏡による処置のスペース確保が必要です。エアウェイスコープでは詰まった餅は見えるでしょうが、処置をするスペースが無く、取ることは難しいでしょうから。ですから、研修医の研修時には、マッキントッシュ型喉頭鏡とエアウェイスコープの両方を教えています。
青山先生
以前、ICUの患者さんで非常に挿管が難しいと思われる症例がありました。人工呼吸器を装着する前だったのですが、この患者さんに挿管する事になったら大変だぞ、喉頭鏡では困難、エアウェイスコープでも難しいかも、と竹中先生と話をしていたのです。翌日、その患者さんが既に挿管され人工呼吸が開始されていました。話を聞いてみると、2年目の研修医がICU指導医の元、エアウェイスコープで挿管したということでした。私自身は喉頭鏡では絶対無理だから麻酔科の挿管器具カートを持ちこまなければならないレベルと思っていましたが、エアウェイスコープの黒い小さなケースだけで無事に終わってしまい、驚いたというエピソードではありましたね。
竹中先生
また別のケースですが、顔面、気道、上半身熱傷の急性期の患者さんで、気管挿管下人工呼吸をされていました。翌日がデブリードマンと植皮の手術でしたから、術前診察のためにICUに行くと顔面、口腔内、上気道の浮腫のため、誤って気管チューブが抜けると再挿管には苦労しそうな状態でした。しかし、翌日患者さんが手術室に入ってくると、気管チューブが新しくなっており、昨日エアウェイスコープで気管チューブの入れ替えをしたらしいのです。さらに驚いたことには入れ替えたのは、ICU指導医のもと医師免許をとって2カ月の研修医でした。この研修医は最初のローテーションが麻酔科でしたので、マッキントッシュ型喉頭鏡で1カ月、エアウェイスコープで2週間の気管挿管研修を終えてはいましたが、それにしても驚きました。
研修に関連した話ですが、救急救命士さんの喉頭鏡による気管挿管の研修には挿管成功症例が30例必要ですが、喉頭鏡での研修が30例で本当に良いのかどうか疑問を持っていました。しかし、エアウェイスコープによる挿管なら、30例もあれば十分かもしれません。







