エアウェイスコープが喉頭鏡として普及する日
マッキントッシュ型喉頭鏡とエアウェイスコープの力加減の違いはどうでしょうか。

竹中先生
マッキントッシュ型喉頭鏡の役割は、障害物をよけて、挿管者の前方視野を確保することです。ですから、うまく障害物をよけることが出来ずに視野が悪い時には、どうしても力が必要になります。それでも十分な視野を確保できない場合があります。しかしその点、エアウェイスコープの場合、力はあまり必要ないですよね。
青山先生
例えば、小さい岩をよけるか、大きい岩をよけるかということですが、 エアウェイスコープは、よけるのではなく、大きい岩の隙間を回り込んで見るというイメージですから、よけるための力というのはあまり要らないのではないかと思います。 ただ、全く力が要らないわけではないとも思います。
新日鐵八幡記念病院では多くの診療科でエアウェイスコープをご利用頂いているとお聞きました。
青山先生
現在エアウェイスコープは麻酔科2本、ICU 1本、救急部1本、全病棟で3本、合計7本を導入しています。
竹中先生
当院でエアウェイスコープが広まったきっかけは、ICU 部長の海塚先生に紹介したことでしょうか。海塚先生は、救急部の部長も兼ねておられます。ICUや救急部での挿管というのは、容態の悪い患者さんに対して行うものですから、どこまで研修医に挿管をさせるかを海塚先生は悩んでおられたようです。研修医に何もさせないわけにもいきませんし。海塚先生とは、時々手術室で顔を合わせるのですが、その時にエアウェイスコープを紹介する機会がありました。すると、海塚先生は直ぐに「これなら、ICUでも気管内挿管を研修医に教えることができる。」と言われました。そして後日、「自分で挿管しても簡単で、かつ研修医にも画面を見せながら教えることができた。」と喜んでおられました。それから、全病院配備に繋がっていきました。
青山先生
海塚先生は私たちに、良いものを教えてくれた、と言って下さいました。 海塚先生は研修医に、研修を終えるまで自分の給料を貯めて、エアウェイスコープを買いなさいと指導しておられると聞いています。「それが患者の生命と君の医者としての人生を救う時が来るから」と。
竹中先生
ICU、救急、麻酔を目指す医師なら、海塚先生の言われることも一理あるなと思いますね。
7本を使用するまでに至る当院の背景として、佐渡島院長が自ら推進する「患者さまの人権を尊重し、インフォームド・コンセントを大切にして、安全で最適な医療の実現をめざす」という理念があります。
2002年、医療事故防止のための医療安全対策室を設置し、多職種からなる組織横断チームと協働して医療事故のリスク低減に、スタッフ一同、努力しています。
佐渡島院長は患者さんに安心して治療を進めて頂けるような高度な技術や、最新の医療機器への投資に反対されるような事はありません。
青山先生
海塚先生が「挿管を難しいという研修医が、エアウェイスコープを使用して簡単にできるようになった。これが高い出費だとは思わない」と言っておられ、私もその通りだと思います。






