「第1回 Helioxの治療上の利点と臨床的な問題点について」 はじめに
Helioxとはヘリウムと酸素の混合ガスです。
おもちゃ屋さんに売っていますのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このガスを吸い込んで発声するとドナルドダックのような声になることで有名です。
しかしこのHelioxは我々を楽しませてくれるだけでなく、呼吸療法に革新を起こすような凄い可能性を秘めていました!
実はHelioxは気道抵抗の高い患者様に対して低い気道内圧で換気がおこなえるという利点を持っています。
何故かというと、ヘリウムは分子量が小さい単原子分子であり、窒素の2倍のスピードで気道を通過できる特性を持っています。
声のトーンが変わって聞こえるのは、声帯を通過する際のガスのスピードが変わり、声帯の共鳴の仕方が通常のガスと異なるために起こります。この特性を人工呼吸に生かすと、COPDのように気道抵抗の高い患者様でも、通常のガス(エアーと酸素)を使用するよりもより低い気道内圧で換気をおこなうことが可能なのです。
アメリカ合衆国ノースカロライナ州、デューク大学ICUのRRTであり、Clinical Research CoordinatorであるJohn D. Davies氏にHelioxの治療上の利点と臨床的な問題点について、質問形式で分かり易く解説していただきました。
今月から3回連続シリーズでご紹介します。
これがきっかけになり、今後の呼吸管理の一つの選択肢として当たり前にHelioxが選ばれる日が来ることを祈っています。
(人工呼吸器部)
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